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家から徒歩10分の、すっかり顔馴染みのコンビニに晩ご飯を調達しに行く。 自炊なんて殆どしない。 昼も夜も、コンビニ弁当ばかりだ。 実家の両親が今の私の姿を見たら、きっと泣き出すかもしれない。 「ありがとうございましたー」 おにぎり2個と、サンドイッチ1つ。それと、お風呂上がりに食べるアイスを買って私はコンビニを出た。 はやく、はやく。 10分の道のりさえ、今の私にはもどかしい。 最近の私の生活の中心は、この前買った恋愛ゲームの攻略キャラクターの誠くんだ。 誠くんはかっこいい。 何だか偉い武士の生まれ変わりで、剣道部の主将である。 この歳にもなって、歳下の男の子、しかもゲームの世界の人と恋をしてるだなんて…と思う時もある。 だけど、年齢=彼氏いない歴な私にとって。 今更誰かと恋をするなんて、少しハードルが高すぎる。 理想だって高くなる一方だし? きっとこのまま、ゲームの世界と共に生きていくんだろうなぁ。 なんて考えながら歩いていると、誰かにぶつかってしまった。
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