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「結構です。それで本題ですが……」
「それよりお礼が聞こえなかったんだが。」
「ん?ああ、先日はどうもありがとうございました。お陰で百合と気持ちを伝え合うことができました。」
そう、実は先日、あの事件が起こった日に、俺と百合は喧嘩別れをしていた。
そして、仲直りの方法を、厘に教えてもらったのだ。
本当の気持ちを伝え、嘘を正すこと。
今まで俺は自分のペアである百合を幼馴染みであると言って騙してきた。
その嘘について謝り、自分の本心を伝えた。
百合を愛している。と。
百合もそれに応えてくれ、今では立派にリア充やっている。この人、以外と良い人なのだ。
「先生のお陰で、百合と付き合うことができています。」
「あ、明、そんなにはっきり、付き合うって……」
かぁ。と茹でダコになる百合を見ると癒される。
可愛いなぁ、可愛いなぁ!
「ふふ、それはよかった。だが、私が感謝をするように言ったのはその点ではない。」
「へ?」
「僕みたいなクソムシを罵倒してくれてありがとうございます。だろう?」
「…………」
前言撤回。
この人やっぱり悪女だ。
「……冗談だよ。さあ、本題とやらを話してみろ。」
「は、はい、それは―」
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