0人が本棚に入れています
本棚に追加
カツン、カツンと靴音が静かな廊下に響く。
俺は1人、日本国異生物専門自衛隊本部、地下基地のモニタルームを目指し、歩いている。
あの後、百合とバカップルしながら家へ向かう途中、安藤良子―異生物専門自衛隊隊長殿、民間機関員日本本部のトップ―に電話で、『とにかく、急いで来てちょうだい。1人でね。』と呼び出しを食らったのだ。
まったく、何の用だよ。
二人でおうちデートの予定だったのに……
と、そんな事を考えている内に目的地に着く。
壁面に備え付けられた小さなモニタに手をかざしながら自分の登録番号を述べると機械音が響き、扉が開く。
中には既に隊長が待ち構えていた。
日本人らしい顔立ちと艶のある黒髪を1つに括り、隊長の役柄によく合うキリリとした表情で優しく微笑む細身(なのに巨乳)な女性だ。
「速かったわね、出掛けていたの?」
「ん、ええ、百合と二人で、先生のところに……あと差江島兄妹の見舞いと、その帰り道でした。」
「そう、急に呼び出して悪かったわね。」
「いえ……それで、俺だけ呼んで、なんの話ですか?百合に聞かれたらまずい内容、ってことっすよね。」
「ん、まあ、どうしても聞かれたらまずい訳じゃないんだけどね……」
最初のコメントを投稿しよう!