第1章

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『ねえ、聞いてる?』 ちらちらこっちを見ながら赤い顔して尋ねてくる。 女子にでもやれば可愛いと言われるのではないだろうか。 『聞いてた聞いてた』 『……じゃあ、OKしてくれる?』 ……。 聞いてた、聞いてしまった。 『好きだよ。』 再び言われるその言葉にどうしていいのか分からず、 とりあえずは何も聞いてない振りをしていた。 そう、この言葉こそ今俺の頭を悩ませている原因なのだ。 別に嫌いでもないし、 わりと気は合う方だし、 断る理由とすれば性別くらいなのだが、 『ねえ、』 『答えてよ。』 そういう声が少し震えていたから。 そんな顔見たことなかったから。 そんな理由で 2つ返事でOKしてしまった。
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