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転「なんでだよ!どうしてオレが悪いんだよ!?」
燐「…………((イラッ」
聡「どう考えても君のが悪いでしょうが」
転「だってこんな奴と付き合ってるなんて海斗が可哀想だろ!?」
聡「あのねぇ…」
燐「可哀想なのはお前の頭だ」
聡「燐音くん。ちょっとだけ黙っててね?」
燐「はい」
注意されたから頑張って黙ってよ。
まぁ、この場は理事長に任せとくか…。
理事長は困ったように笑いながら言った。
聡「海斗くんは海斗くんの意思で燐音くんに惹かれて告白して付き合ったんだよ?それのどこが可哀想なの??」
転「だって誰がどう見たって不釣り合いだろ!?」
聡「だからさぁ、海斗くんは中身を重視するタイプの人間であって、けして見た目じゃ人を判断しない子なの。本人が気にしてないんだから周りがどうこう言うのはお門違いだと思うよ?」
転「周りが言わなきゃ気づかないからオレが言ってやってるんだろ!!」
聡「…………((イラッ」
あ、理事長のこめかみに青筋が…。
オレ、怒ってる理事長初めて見たかも。
そしてそんな理事長を見て冷や汗をかいてる蒼真さん。
転「なんたってオレは優しいからな!」
聡「君が優しいのは分かったけど、恋愛事に関してはさ、当事者たちが幸せだとしたら周りは黙ってるのが本当の優しさだと思うな((ニコッ」
そして青筋立ててるのにここまで自然に近い営業スマイルが出来る理事長が強いと思った。
言葉にも毒がないし。
やっぱりこの手の人間の扱いに慣れてるんだな理事長って。
転「けど、間違いを間違ってるって言うのが普通だろ!!だからオレは間違ってない!!!」
聡「…………((ブチッ」
……今、不吉を象徴するような何かが切れるような音がした。
転「やっぱりお前が海斗と付き合ってるのはおかしい!だから別れろよ!!」
この転校生に暴言を吐かれても指差されてもイラつかないほど、オレは理事長の事が気になってる。
だって、あれ絶対プッツンきたときの音だったもん。
聡「アハッ、ねぇ…君さ、私の話をちゃんと聞いてる?ってかそろそろ私の言ってること理解してくれないかなぁ?((ニカッ」
……理事長…さっきより笑顔になってる。
オレは蒼真さんを見た。
蒼真さんもオレのことを見ていた。
これは…もしかして…ヤバイ感じじゃね?
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