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―燐音視線―
千秋…何処に行っても王道を壊すよな…。
オレは寮に帰ると千秋とラインでトークをしていた。
そして理事長室では…。
聡「蒼真くん、明日も働かなきゃダメ?」
蒼「ダメに決まってるじゃないですか」
聡「私、疲れちゃったよ」
蒼「いつもの事じゃないですか」
聡「いつも以上に疲れちゃったの!」
蒼「なら、全身マッサージしましょうか?揉みほぐしますよ…隅々まで」
聡「ナニソレ。やだ、卑猥」
蒼「オレ…貴方の事も抱けますよ?」
聡「抱かなくていいよ。私、男に抱かれる趣味はないから」
蒼「それは残念です」
聡「なんで残念なのさ…」
理事長と蒼真さんはソファーに身体を預け、ぐでーっとしているんだよね。
そして会話に萌えるオレがいるw
楽しい時間を過ごしてた。
そう、あの電話がくるまでは。
ピリリリリ…
理事長の携帯が鳴った。
聡「もしもし、どうされたんですか?神城さん」
相手は千秋の学校の理事長だったようだ。
帰ってすぐに連絡するとか…萌えるな。
聡「……ぇ…?」
蒼「何かあったんですか?」
聡「…分かりました。…大丈夫です。それは貴方の責任などではないので自分を責めないでください。…場所だけ教えていただけます?」
理事長は冷静を装って優しい口調で話しているが、その顔には焦りと怒りの色が伺えた。
蒼「…………(理事長のこの顔…事件が起きたのか…?)」
聡「では、失礼しますね」
理事長は電話を切った。
すると無になったように沈黙した。
蒼「理事長?何があったんですか?」
聡「蒼真くん。燐音くん。…落ち着いて聞いて?…海斗くんが誰かに刺されて入院したらしい。今は意識がなく、集中治療室に入ってるらしい」
燐「………は?」
蒼「………は?」
海斗先生が…刺された…?
燐「それ、なんの悪い冗談ですか?怒りますよ??」
聡「冗談なんかじゃないよ。私も嘘だと信じたいけど、神城さんは絶対と言っていいほど嘘はつかない人だし、こんな事で冗談を言うような非常識な人じゃないよ」
蒼「…それが本当だとしたら、どうして海斗が刺されたんです…?」
聡「……犯人と思われる人物を見た人の証言からすると…私の中では犯人は大神くんじゃないかと思ってるよ。目撃情報と彼の特徴が一致してるし」
燐「……………」
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