☆凍った心☆

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ー?視線ー オレは今いつものように店に出勤しようと時間をかけてワックスで固めた派手な髪型と糊が効いてるスリムなスーツで街中を歩いてた。 オレはただのホストだ。 もう11時か。 いつもの道を歩いていた。 ケバいキャバ嬢。 残業上がりのサラリーマン。 そんな人たちが歩く夜の商店街。 ……オレは…こんなことをしていていいのだろうか? 貢いでくれる客がいる。 贔屓してくれる先輩がいる。 …でも、最近はやりがいを感じないんだ。 店に入ったばかりで雑用しかやらせて貰えなかった頃は…目標があり、目的があったから頑張れたし楽しかった。 けど今は…もう目標となる人物を超えてしまい、目的だった金稼ぎも十分貯金が出来てしまった。 一番になってしまったらほんと…やることないな。 ……今の店辞めて違う店にでも行こうかな。 それともいっそのこと…違う職にでもつこうかな。 そんなことを考えながらオレは近道である路地裏に入った。 ?「ねぇ…君カッコイイねぇ。ウチの店に来ない?…いや、でもスッゴク私の好みだからさぁ、家に来てよぉ」 ?「いや、困ります。オレはちょっと人を探しに来ただけなので…」 ?「見つけられてないから今、一人なんでしょ?…サービスするよ?」 ?「本当にやめてください!」 ヤベェーな。 変な場面に遭遇しちまった。 あの青髪のイケメンに絡んでる女…ウチの常連さんだよな? キャバ嬢で面食いの。 オレもあの人にはよく絡まれていつも胃が痛くなるんだよな。 助けてやった方がいいか。 あの青髪、人を探してるみたいだし…遊びにきたってワケじゃなさそうだし。 ただ、どっかで見たことあるような…暗いから顔がよく見えないが…。 ……そもそも青髪でスーツ?ホストかな?? ?「六花〈リッカ〉さん。その人困ってますよ?もっと貢いでくれそうな人をターゲットにした方がいいんじゃないですか?」 六「っ!直人くん!?」 直「どうも。この路地裏はオレの通り道なんで」 六「もっと貢いでくれそうな人ね…直人くんとか?」 直「まさか。オレは女には貢ぎませんよ?ってか誰にも貢ぎませんし…」 ?「……やっと…見つけた…」 六「え?」 直「おぉ、良かったな。見つかったんなら早くこの通りから出てった方がいいぞ?面倒な奴に絡まれる前に」
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