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璃桜の言葉に驚いたのか、一瞬深みのある薄茶色の瞳が色濃く見開かれるが、直ぐに飴色に煌めいて変化する。 「可笑しなことを言うな、璃桜は 」 朔耶はそう言うと、よいしょと璃桜の上半身を起こして、立て膝をした片脚と逞しい腕の間に上掛けごと抱き込んだ。 そして、肩越しに伸びた手で掴んだ璃桜の指をほどくと、不安そうに見上げる璃桜を安心させるように、今度は朔耶の方から一本一本絡め合わせてくる。 祈る形に合わされた手には、見えない糸が何重にも巻かれ、きつく結ばれているように見えた。 「何処にも行かないよ。 焦がれて焦がれてやっと手に入れたお姫様を、俺が手放すと思うのか? 」 口唇の端を持ち上げて、ふざけたふうを装っても、その言葉は本物だと震える心が教えてくれる。 「ずっと、ですよ……?」 「嫌だと言っても離してやれねぇのは、身を持って知ってるだろうが 」 コツンと寄り添った頭に落とされる口付け。
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