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「そんな訳、んっ、無い…… 」
「やっぱり、信じてないな 」
頭上から璃桜を食べようとしている獣が、呆れたような声を出す。
堪えようと指の背を噛んでも、次から次に与えられる感覚に玩ばれて、声は溢れていくばかりだ。
「や、待って…… 」 「待たねぇよ 」
即断で答えられて、泣き出したくなる。
感じ過ぎた身体は、切ない快感にもう苦しいくらいなのに。
こんなに意地悪なのは、私が朔耶さんの言葉を認めないからなの?
けれど頭を振りながら、「分かりました、から……、もう 」と言った璃桜の耳に届いたのは信じられない言葉だった。
「待つ筈ねーだろうが、こんなに楽しいのに 」
くっくっと笑い声の混じる声に、璃桜は逃れる術はないと知ってどうしていいか分からなくなる。
「やだ、も…… 」
「馬鹿だな、璃桜は 」
「だって……、だってあんまり感じちゃだめって、せんせ……が…… 」
うるうると曇る視界の中、顔を傾けて朔耶の方に半身を向ける。
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