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暮らしてるっ……て、家の敵(かたき)の片割れと一緒に?
「本当に親孝行なコだよね。 お父さんの入院費を工面する為に不動産も処分して、アパートも引き払って、浩輔のところで住み込みの家政婦みたいなことやってるよ 」
「家政婦?! 」
あの、壱葉兄さんが……?!
「だから、君は行くとこないでしょう? それに今日壱葉くんが来れないのは、うちの弟の責任でもあるからさ。 僕もね、兄として責任感じてんの 」
続けられた言葉は、その前の言葉の衝撃で美花には聞こえていなかった。
あてにしていた兄名義のマンションは売られてしまい、なぜそうなったのか、兄自身も生活の為、憎んでも憎み足りない男と一緒に家を潰したヤツの家にいるという。
「くそ兄貴……っ 」
何、考えてんのよっ!
それなら、自分はどうしたらいいのか。
さすがにもう、知り合いの男の家を渡り歩くなんてこと、今はする気にならない。
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