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「……美花ちゃん、ごめん。 呼び出し入っちゃった 」
自宅だというマンションのエントランスに入った途端、浩峨は、鳴り響いた携帯を取ると、申し訳なさそうに美花を見た。
「呼び出し? 」
「うん、仕事 」
ボトムのポケットから取り出した部屋の鍵を、美花に渡す。
「このまま今夜は帰れなくなると思うから、美花ちゃんは部屋ん中で自由にしてて? 」
「自由にって……、ちょっと!! 」
踵を返し、今来た道を引き返していく浩峨を美花は慌てて追う。
「部屋は403だよ。 あっ、食費はカップボードの右上の引き出しに入ってるから好きに使っといて 」
「好きにって!? ちょっと、待ちなさいってばっ!! 」
「じゃねっ、お留守番よろしくー 」
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