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そんな格好をして着飾っても、偽物は偽物だと言われた気がした。
風に舞い上がった白い帽子。 拾ってくれた時、貴方はあんなに優しく笑っていたのに……。
「あー、もうやめっ! 」
考えたってどうにもならない。
熱めのシャワーを勢いよく止めて、美花は自分で洗濯しておいたタオルを手に取る。
大好きだったその人は、まんまとお姫様を手に入れた。
清らかで、美しくて、優しい、美花の大嫌いな本物のお姫様。
拭いた髪を一つに留め、身体にバスタオルを巻くと、美花はバスルームの扉を開けた。
別にすることは同じなんだから、このままでいい。
「待たせたわね、浴びてきたわよ 」
シャワーなんていくら浴びたって、この手も身体も綺麗になんかならないけど。
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