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「だったらお前が連れてくりゃいーじゃん。同じクラスなんだから」
横から会話に参加してきたのは、赤城君と同じ位の短髪の長身男子だ。
あっ、この人も知ってる。
いつも騒がしいから目立っている三上君って子だ。
「......嫌よ」
「何で?」
何でだろう?五十嵐さん、面倒なのかな?
それよりも私、ここから立ち去っていいかな?多分、私には関係のない話になってきたっぽいし。
足音を忍ばせて気配を消し、その場を離れていく私に誰も気付かない。
こういう時、存在感が薄くてよかった......って思う。
そして五十嵐さんがポツリっと呟いた声が少しだけ聞こえた。
「だって私、教えられるほど頭あんまりよくないもん」
って。
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