それは唐突に訪れる

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それは、交際2周年を迎えた日だった。 お祝いにケーキとワインを買い、2人で買い物道を並んで帰っていると、後ろから彼女を呼ぶ声が聞こえた。 それに反応し、彼女は勢いよく振り返り叫んだ。 「博人!!」 彼女は持っていたケーキを落とし、口元に手を当てる。 目にはどんどん涙がたまっていった。 「博人・・・お前、よく顔が出せたな。」 「すまん・・。」 申し訳なさげに顔を下に向けるも、彼女が胸に飛び込み何も言えなくなった。 落とされたケーキを拾いあげ、くるっと背を向ける。 「・・・楓・・。」 小さく私の名前を呼ぶ彼女の声は確かに届いたが、振り返る事は出来なかった。 やはり彼女は、あいつを選んだのだ。 捨てられても、再び目の前に現れたら、元の鞘に戻れるほど、好きなのだ。 あいつ、博人に浮気され姿を消され、それを支えた1年、それから交際して2年。 それ以前に高校時代より彼女に思いを寄せ、告白もしていた私は約6年も彼女に片想いしていたことになる。
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