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「吹雪は、本当に博人が好きなんだな。」
「駄目男に構っちゃうのよ。」
「私が女だから、じゃないよね?博人が好きだからだよね?」
「楓さん。」
「私が男だったらって、言わないよね?」
高校時代、告白した時には友達以上には見れないと断られた。
それでも好きな気持ちは消えず、友人としてそばに居続けた。
博人に傷付けられた彼女に、卑怯だと思いつつも寄り添い、そばにいて励まし続けた。
しかし、彼女が最終的に選んでくれたのだ。
私にすればいい。好きだ。付き合おう。
それは一切言わなかった。ぐっと心の中で押し殺し、彼女が友人として求めるなら、それに徹しようと努めた。
が、博人が去り1年が経った時、彼女は手をさしのべてきた。
恋人として、寄り添って欲しいと。
例えそれが淋しさを紛らわす為だとは言え、嬉しかった。
「嬉しかったんだよ、本当に。やっと好きな人が手に入ったって。」
それと同時に不安も付きまとった。いつか博人が現れ、この時間を彼女を奪われるのではないかと。
ぐだぐだに酔ってしまいたかったが、それも出来なかった。
智美もまた、私に片想いしている。弱いところにつけ込ませ、同じ思いをさせたくなかった。
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