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それから、小雪と交際するようになり、体を重ね、時々小雪が家に通うようになった。
そして、ほどなくして、彼女の両親が病にかかり大金が必要になったと相談された。
ついに来たと思った。
もしかしたら、と僅かな希望さえ願ったがそうもいかなかった。
「そうか。いつまでに必要なの?」
「1週間以内にって言われてる。私もそれまでに出来るだけ集めるわ。でも、それでも無理ならソープに移らなきゃ駄目かもしれない・・・。」
「小雪・・・。」
ぎゅっと抱き締めた。
涙が溢れてくる。
タイムリミットまで、残り1週間かと思うと、淋しかった。
「小雪・・・。」
愛しそうに名前を呼び、しょっぱいキスをした。
小雪の涙が本物であればいいのに。
そう願いながら、痛いかと思うほど抱き締めた。
「好きよ・・・。」
その言葉に、本心が少しでも含まれていますように。
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