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それから3ヶ月後、百華の弁護士という方から彼女達が捕まった事を知った。
そして、男が主犯格であり、刑は彼女よりも重く科せられたらしい。
「あなたのお金だけは、男には渡さずコインロッカーに隠していたようです。返すように頼まれました。」
「そうなん・・ですか。」
あの時の封筒をさしだされ、その時を鮮明に思い出した。
「面会は希望されていません。手紙も受け付けないよう言われています。」
「分かりました。」
「では、私はこれで。」
「あの、最後に1つだけ。彼女、何年後出てこれるんですか。」
「最低3年です。」
「そうですか。ありがとうございます。」
静かになった部屋で、封筒を見つめながらなぞると、微かな違和感があった。
不思議に思い中を見ると、白い紙が入っていた。
所々、涙の後らしきものがあった。
「ごめんなさい。」
その一言だった。
もっと違う形で会えれば、こうはならなかっただろうか。
やっと見つけた光が弱々しく消えていく姿を、見てるだけしか出来なかっただろうか。
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