アルコールの力

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「もしかして・・私、誘っちゃった?」 「ええ、それはもう、激しく。」 しらふになった彼女は酷く動揺しながら、頭を抱えた。   「覚えてないんですか?」 「深酔いすると、記憶飛んじゃうみたいで。まさか、同性にまでやっちゃうなんて。」 どうやら、女は初めてだったらしい。 「私も途中からしか記憶ないですけど、かなり積極的でしたよ。」 「嘘でしょ・・・。」 「あなたは受け、つまり抱かれる方でしたけど・・これ。」 無数につけられたキスマークを見せると、余計に落ち込んでしまった。 酔った彼女はそれはそれは愛しそうに体中にキスマークをつけていったのだ。 「火遊びなんて、覚えてても良いことないですし、忘れましょう。」 そう言いながら、少しだけショックだった。 どんな馴れそめでホテルまで行ったかは覚えてないが、あんなに求めてきたのだから少しは好意があったのかと思った。 (タイプだったんだけどな。) こんなに後悔されるなら、覚醒した時に意地でも辞めるべきだった。 「さぁ、帰りましょう。延長になりますよ。」 「ええ。」 すっかり意気消沈している彼女に、かける言葉がなかった。
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