第8章

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 感情を、どこか抑える癖がついてるルシアン。東吾になら、自分を曝け出してくれる。こんなに嬉しい事はない。  東吾の攻撃から笑い転げるうちに、東吾に背中から抱かれる体勢になった。  くすぐっていた指が愛撫の動きに変わり、ルシアンの首から、胸、そして腹にゆっくり移動する。  若いルシアンは、反応していた。 東吾が優しく触れて、熟していくのを促す。 「ルシィ……、ルシィ……。」と耳元で囁きながら。  東吾は自分の熱いものをルシィの後ろから足の付け根に通した。 二つが重なる。羞恥と戸惑いに震えた声が訊いた。 「僕は、どうしたら?」  汗が滲む肩に口づけした東吾が囁いた言葉が、瑞々しいルシアンの肌に沁みこんでいく。 「俺に委ねて。そのうちルシィの体が、教えてくれる、どうしたらいいかを」  東吾の愛撫でルシアンの腰が、動き出だした。 「そう、ルシィが良ければ俺も良くなるんだ。今度は一緒に……」  東吾の腕の中で、ルシアンが小さく頷いた。
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