~第十一章 魔界~

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カレジは無我夢中で、キールを追い続けた。 キールは空を飛んで回避しようとしたが、翼を持たないカレジが、赤い光に包まれて空中を飛んでいた。 何故そんなことができるのか、今のカレジにはどうでもよかった。 魔界に来てることすら分かっていなかった。 キール以外のものは目に映らないからだ。 キールがどこまで逃げて行っても、カレジは追いかけ続けた。 「悪かったよ!頼むから、許してくれ!」 キールが何を言っても、カレジの耳には届かない。 キールはヴィシオスと共に、寿命を大幅に超えて今を生きていた。 多くの人々の魂を喰らって…。 そのため、死に対しての恐怖はかなり大きかった。 カレジが追ってくるのを止めそうにないので、キールは逃げるのを諦め、とっさに振り返ると不意打ちでカレジに攻撃をしかけた。 突然の攻撃を避け切れず、カレジは至近距離でキールの攻撃を受けた。 左腕から血が出たが、カレジは痛みを感じなかった。 その後もキールは何度も攻撃をしてきたが、カレジは剣を巧みに動かし攻撃を避け続けた。 次第にキールは疲労し、ついには攻撃にも勢いがなくなってきた。
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