~第十一章 魔界~

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ドスッという鈍い音とともに、伝説の剣はキールの体を貫いた。 キールは深い傷を負いながらも、最期の力を振り絞り、鋭い爪でカレジの胸から腹の辺りにかけてまで傷を負わせた。力がなかったので傷自体は浅かったが、血が噴き出た。 「うっ…」 その時になってついに痛みを感じたカレジは、怒りから体中が燃え上がるように熱くなるのを感じた。 それは炎となって燃え上がり、剣を伝ってキールへ燃え移った。 その身は燃えて、焼けて、一瞬で骨も残らず灰となって消えた。 苦しむ暇もないほどに、あっという間に。 キールが消えた場所からは、キールに喰われていたいくつもの魂が光り輝いて現れ、空へと昇って行った。 その光景をなんの感情も湧かないまま見届けたカレジは、自分の限界を超えた力を使い果たしてしまったために、赤い光がスッと消え、空から落下していった。 意識はもうなかった。 それを、後ろから追いかけてきていたタクルが掴まえた。 「すごい力だった…。オレ達と前に戦った時より数倍も強かった。まさか、キールをあんな一瞬で…。これだけの力なら、ヴィシオスにもかてるかもしれない…。」
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