2章:おしゃべりタイム

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「じゃあ、アレの前に立ってくれ」 百瀬は先程の地球を指さす。俺は何時の間にか空になっていた湯呑を置き立ち上がる。 地球の前に立つと霧が現れその向こうに薄ぼんやりと緑が見える。 やっと転生できるのか。楽しみだな。時間にしてみればあまり経ってないのだろうが随分と長く居た気がする。 振り返ると百瀬とあの家が見える。 特に思い出があるわけでもないのに、その風景を見ているとこみ上げて来るものがある。 百瀬に至っては何だか寂しそうな顔をしている。 「そう言えば、お前の都合って何なんだ」 「えっ!?あぁ…それはその…なんだ…俺ってさ、ずっと一人で居た訳じゃん…だからさぁ…そのぉ…」 どうにも言い辛そうだ。目をあっちこっちにやって言葉を探しているようにも見える。 実は俺に一目惚れして告白する気だったりして……いや、それはないな、と言うか無くてくれ。 俺はまだ女も知らないチェリーボーイなんだから。女よりも先に男を知りたくない。 俺が貞操の心配をしている間に百瀬は覚悟が決まったようだ。 「だからさ!!俺と友達になってください」 カバッと頭を下げる。よくみると肩が僅かに震えている。茶化すような空気じゃないよな。 「あぁ、よろしくな。彰吾」 そう言うと百瀬……彰吾の顔も見ずに霧の方へと進む。恥ずかしいが、まぁ偶には悪くないかな。
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