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璃桜は大量の文庫カバーを持つと、深井にぺこりとお辞儀をした。 一番レジを離れて、中央レジへと向かいながら、ふぅ…と息をつく。 食欲がない理由は分かっている。 「自分は休みだから、いいだろうけど…」 璃桜の休みは平日で、基本は水曜日と隔週でもう一日だ。 その休みも、パートさんの出勤状況で変動する。 ましてや、土日なんて一番忙しくて、どんなに身体がつらくても、休みなんか取れるはずがない。 「帰りたくなくても、帰らなくちゃいけないのに…」
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