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朝、朔耶は七時前に起きてシャワーを浴びる。
寝ていていいとは言われるけれど、璃桜も一緒に起きて朔耶が仕事に行く支度をしている間に朝食の準備をする。
ここに来て三日目の朝、璃桜が初めて朝食を用意したら朔耶はとても驚いていた。
璃桜は家のことは何も出来ないと、勝手に思っていたらしい…。
まぁ、七瀬の家のことを考えれば当然とも思う。
実際、七瀬の家を出るまで、璃桜は世の中のことを何も知らなかったし、何も出来なかった。
……目で見て出来ると思っていたことでも、やってみると全てが難しい。
けれど、この一年の一人暮らしで少しは形になっていると自分では思っていたし、朔耶は無理はするなと言いながら駄目とも言わないから、璃桜はそれから毎日作ることに決めた。
大体七時頃に橘が迎えに来て、朔耶は璃桜の作った朝食を摂りながら、橘はブラックの珈琲を飲みながら、二人はダイニングでスケジュールの確認や仕事の打ち合わせをする。
そして、二人が出掛けていくのは、いつも八時丁度。
これが毎朝の光景となりつつある。
けれど、この日の朝は少し違っていた。
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