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仄暗い中で響く口付けの音が、部屋の空気に滴るように水分を含ませる。
寝室に入るなり、ドアに背中を押し付けられて、朔耶に口唇を奪われた。
吐息ごと絡め取られて、息をすることも出来ない…。
両手は頭の上に片手で一纏めにされ、戒められて押さえ付けられている…。
「朔耶さ…っ、ヤっ…。」
「嫌、じゃねぇだろ……。」
きっと、リビングにはまだ橘がいる…、ここで何をしているかなんて瞭然たることで、恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。
「ん…、ふっ…。」
顔を緩く振るように抗うと、後頭部をきつく押さえて固定され、更に深く貪られる。
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