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けれど、口腔の奥まで、追い掛けて、絡ませ、吸い上げてくるくせに、朔耶はふと思い出したように口唇を柔らかく食んできて、それは璃桜の胸に、じくっ…とあまい痛みを与えた。
優しくして欲しい…、けれど優しくなんかして欲しくない。
愛してくれないなら、優しくしないで…。
相容れない感情に心は軋む。
何よりも嫌なのは、どんなに乱暴な扱いをされても、朔耶に求められることに悦びを感じてしまう自分自身…。
「……ッ!。」
ジィーー…ッと背中のファスナーが立てる音と、肌に触れる冷気に身体が竦む。
そして続く、節の高い、長い指先が背中の窪みを伝う感触にゾクリとした。
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