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「……ほら、やっぱり、そんなこと思ってる。 」
恨めし気な璃桜の声を聞いて、朔耶が今度こそ本当に笑い出す。
「朔耶さん…、自分でしたくせにひどいです。」
「濡れるから、絶対に取るなよ。」
言いながら、雪で濡れた自分の髪をかきあげる仕種は、男の人なのにどこか艶めいていて璃桜は顔を上げていられなくなる。
イルミネーションで彩られた並木道。
璃桜はドキドキして居たたまれないのに、歩きながら、ずっとこの手を離さないでいて欲しいと思った。
「桜か…。」
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