14.

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見つめる璃桜の右手に、水滴が同時に落ちた。 「いいよ、璃桜…、もういいから 」 壱葉が璃桜の肩を引き寄せる。 璃桜はされるがままに、壱葉に抱き締められた。 「璃桜、ごめん……。 気付かなくてごめん。 それでも、璃桜は兄さんのことが好きだとずっと思ってたか…らっ… 」 「好きよ、樹のこと好きだった。 小さな頃から、樹だけだった…… 」 けれど、壱葉は璃桜の言うことを否定するように、大きくかぶりを振る。 「違うっ…! 違うんだっ! 」 「壱…葉? 」
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