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「壱葉っ…! 」
やっぱりという思いが、璃桜の胸の中で頭を擡げてくる。
あの日、樹にぶつけてしまったことは真実だったのかもしれないと……。
「……私が忘れていなければ、樹は死なずにすんだ? 」
何も知らない私が、樹のことを追い詰めた。
それが、あんな雨の夜、車で外に出るなんて暴挙に出させてしまったのかも知れない。
「そんなこ…と…、言うな…っ! 」
「でも、壱葉はさっき『アイツのことを覚えていてくれてれば 』って言った! 」
「言ったよ、言ったさ!でも、知ってたってきっと変わってなかったよ! どっちにしろ親父達は璃桜と樹兄さんを結婚させようとしただろうし、その為には何んだってした。 知ってる分璃桜はもっと苦しんだかも知れない…… 」
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