613人が本棚に入れています
本棚に追加
******
「……何んてこと、してくれたんです 」
橘が壱葉の手を振り解いて、近くの丸椅子に座る。
「ははっ、悪かったな。俺はいつでも璃桜の味方だからさ 」
開けっ放しの、診察室の白いレールドアを閉めながら壱葉が笑う。
「ところで、斎賀のヤツ、本当に来んの? 」
「……璃桜ちゃんのことで呼ばれて、アイツが来ない訳無いじゃないですか 」
「ふぅん…、社長って、案外暇なんだな 」
憎まれ口を叩く壱葉にため息をつくと、橘は額に手をやる。
最初のコメントを投稿しよう!