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橘が瞬間、目を瞠るのが分かった。
「いや、朔耶には…… 」
けれど、医師は橘の言いかけた言葉を気にすることなく、話を続ける。
「呼んで無い筈はないか。 お前はそういうところ、抜かりは無いだろうから 」
余計なことを…と言いたげな表情の橘が、小さく舌打ちをして自分の兄を睨む。
まさ…か……。
「……橘さん、違いますよね? 」
璃桜が、椅子を立ち上がると橘が「あのね、璃桜ちゃん…… 」と宥めるように声を掛けてきた。
それだけで、 医師の言ったことが真実だと分かってしまう。
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