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「璃桜ちゃん、 それっ…て……っ?! 」 「……行けよっ、璃桜! 」 いきなり解放される手に目を瞠ると、壱葉が橘の璃桜の手を捕まえている腕を掴んで、押さえてくれていた。 「壱葉…っ、何するっ…… 」 「璃桜が自分の意見をそんなに言うの、初めて見た。 ……逃げる訳じゃない、落ち着いて考える時間が欲しいだけなんだろ? ちゃんとすぐに帰って来いよ? 」 投げられた壱葉のウォレット。 璃桜はしっかりと受け止め、「ありがと、壱葉…… 」と、か細い声で礼を言うと、顔を上げて急いで診察室の扉を開けた……。
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