737人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも、決心がつきかねている朔耶が何かを言おうとした時だった。
「……嘘、だろ? 」
部屋に乾いてひきつった声が響き、その場にいた者全てが壱葉を注視する。
「そうだよ、嘘だ。 そうに決まってる…… 」
独り言のようにそう言うと、キッ…と朔耶を見た。
「俺は…っ、どこかでお前のこと認めてたっ! だけど、こんな言いがかり……っ 」
「……。」
けれど、壱葉に向かって足を一歩踏み出した朔耶を橘が手で制する。
「壱葉…、聞いて? 」
最初のコメントを投稿しよう!