第3話 アイドルの秘密 2

「松波さん、詩人ですね」

「恋をしていると、皆詩人になるって誰か言ってましたよ」

「At the touch of love, everyone becomes a poet.　プラトンです」

「哲学者でしたよね」と言って、松波は、グラスに口をつけ一気に空けた。

「松波さんは、どうして」

「振られ続けて、やっとこぎつけたデート中に、なぜ我慢出来なかったんですか。……ですか？」

リリコの言葉を遮り、松波が早口で言った。