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「・・・はっ!」
キィオは肝心なことに気付いた。
『鳥』で無くなるってことは、もう二度と空を飛べない。
風を翼で感じられない。
自由に、縦横無尽に、空を舞えない。
空から下を見下ろせない。
しかし、犬ならかなりのリスクがある。
空では感じられなかった様々な危険。
山あり谷あり道路あり、人間あり・・・
「うーーーーん!」
キィオは考え込んだ。
「いったい、どうするんだ?帰るぞ!わしは暇じゃないんじゃ!いっぱいこの世界中の生き物達から『魔法』の引き合いがあるんじゃの!」
「うーーーーん・・・」
・・・『覚悟』・・・?
キィオは『カラス』として産まれて、様々な試練を走馬灯のように思い出した。
『群れ』からの追放、
カラス仲間からの陰湿ないじめ、
カラスを悪く思う人間からの迫害、
その他、様々な『カラス』としての試練を。
・・・心機一転・・・
・・・はっ・・・!!
「何だ?」
「自分を犬にしてください!」
「本当にか?お主は犬に本当になりたいんだな!」
「カラスに二言はありません!」
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