5#悲しみのビーグル犬

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 「ビーグル犬になりたい!」  「ビーグル犬ねえ・・・よし!」  ドードーは、気前よく答えた。  「いいの?!ビーグル犬で?!」  「いいよん!ビーグル犬!!ビーグル!!君にピッタリだ!ビーグル犬!ビーグル犬!」  ドードーは、浮かれまくって踊った。  「ドードーさーん!」  「はっ!すまんすまん!ほおら・・・ここに丁度、ビーグル犬の『素体』が。」  鬱蒼とした森の立ち込める霧が、まるでスクリーンになったように1つの画像が現れた。  「ほれ。ここ。」  「あっ!本当だ!でもここ・・・どこ?」  「人間の医薬品の実験室。この机に横たわってるのが、お前さんの『素体』のビーグル犬。実験動物じゃ!」  「実験動物?!」  カラスのキィオは、目を丸くした。  「ほらよ。実はあのビーグル犬は今度の『願い』の依頼主じゃが、もうあいつは瀕死じゃ。その依頼にピッタリじゃの?  自由になりたいんじゃ!いつもいつも、狭い檻に入れられ出してみると新しい人間の薬の実験台じゃ!  悲しいじゃろ?本当に・・・  わしもじゃ・・・先祖は、人間に狩られまくって・・・みんな根刮ぎ・・・うううう・・・」  突然ドードーは、目から涙を流して嗚咽した。  「ど、どうしたの?!ドードーさん!」  「なれ!君があのビーグル犬の無念の力に!」  「しかし、ど、どうやって?!」  「し、暫し待て!あのビーグル犬はもう命の火は消えかかっている!  あのビーグル犬が死んだら、あの魂に乗り移れ!  じきにあの犬は焼却される!  その寸前に乗り移るんだ!」  「ええーーーっ!」  「逆にお前さんの脱け殻の『カラス』の衣は焼かれるが、今度は新たに『犬』の衣を纏うことになる!  覚悟は出来てるって言ってたな・・・」  「はい・・・」  「何だ?心配無さげな返事は?わしを信じるのじゃ!わしは魔法のドードーじゃー!」  「はい!」
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