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「ビーグル犬になりたい!」
「ビーグル犬ねえ・・・よし!」
ドードーは、気前よく答えた。
「いいの?!ビーグル犬で?!」
「いいよん!ビーグル犬!!ビーグル!!君にピッタリだ!ビーグル犬!ビーグル犬!」
ドードーは、浮かれまくって踊った。
「ドードーさーん!」
「はっ!すまんすまん!ほおら・・・ここに丁度、ビーグル犬の『素体』が。」
鬱蒼とした森の立ち込める霧が、まるでスクリーンになったように1つの画像が現れた。
「ほれ。ここ。」
「あっ!本当だ!でもここ・・・どこ?」
「人間の医薬品の実験室。この机に横たわってるのが、お前さんの『素体』のビーグル犬。実験動物じゃ!」
「実験動物?!」
カラスのキィオは、目を丸くした。
「ほらよ。実はあのビーグル犬は今度の『願い』の依頼主じゃが、もうあいつは瀕死じゃ。その依頼にピッタリじゃの?
自由になりたいんじゃ!いつもいつも、狭い檻に入れられ出してみると新しい人間の薬の実験台じゃ!
悲しいじゃろ?本当に・・・
わしもじゃ・・・先祖は、人間に狩られまくって・・・みんな根刮ぎ・・・うううう・・・」
突然ドードーは、目から涙を流して嗚咽した。
「ど、どうしたの?!ドードーさん!」
「なれ!君があのビーグル犬の無念の力に!」
「しかし、ど、どうやって?!」
「し、暫し待て!あのビーグル犬はもう命の火は消えかかっている!
あのビーグル犬が死んだら、あの魂に乗り移れ!
じきにあの犬は焼却される!
その寸前に乗り移るんだ!」
「ええーーーっ!」
「逆にお前さんの脱け殻の『カラス』の衣は焼かれるが、今度は新たに『犬』の衣を纏うことになる!
覚悟は出来てるって言ってたな・・・」
「はい・・・」
「何だ?心配無さげな返事は?わしを信じるのじゃ!わしは魔法のドードーじゃー!」
「はい!」
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