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・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
す
・・・・・・
「ん・・・んんん・・・」
カラスのキィオは、全身雨ざらしの重たい体をむくっと起き上がらせた。
「自分・・・やっぱり死ねなかった・・・悔しいなあ・・・」
キィオは、翼で目を擦ると辺りを見渡した。
「ここは・・・どこだ・・・?」
鬱蒼と茂る森林のど真ん中。
雨上がりの木漏れ日が、キィオを照らし出した。
丁度、キィオは草花畑の下に横たわっていた。
「本当、どこだよ。ここは?」
キィオは、樹海の中をとぼとぼと歩き回った。
「おーい!どなたかいますかぁーー!おーい!」
カラスのキィオは、周辺をキョロキョロ見渡しながら大声で呼び掛けた。
しーーーーーーーーーーーーーーん・・・・・・
「い・・・いない。」
キィオは焦った。
「おーい!どなたかぃすかぁーー!おーい!おーい!」
・・・・・・
返事がない・・・
ぞおっ!
カラスのキィオは、武者震いした。
・・・まさか、自分ひとりだけ・・・?
キィオは目を丸くした。
それと共に、キィオに一抹の不安だけが募った。 「『ひとり』っていうことは・・・」
・・・ひとり・・・?
・・・『仲間』はいない・・・
・・・ということは・・・
・・・まじあり得ない・・・!!
・・・まさか自分は・・・
・・・本当に・・・
・・・死んじゃったのか・・・?!
・・・ということは、ここは・・・
・・・黄泉の国・・・
・・・地獄・・・?!
カラスのキィオは目をぱちくりさせて、疑心暗鬼になった。
「本当に自分は死んじゃったのかなあ?」
キィオは、尾羽を見た。脚を見た。
「あるぞ。脚がちゃんとついてるぞ????
自分は、本当に本当に本当に????」
ざっ
ざっ
ざっ
ざっ
遠くから、茂みの草の上をゆっくり歩く音が聞こえてきた。
ざっ
ざっ
ざっ
ざっ
「??????」
不穏な脚音が、どんどんどんどん畏怖で硬直するカラスのキィオに近づいてきた。
ざっ
ざっ
ざっ
ざっ
ざっ
辺り1面を白い霧で覆われた中から、得体の知れない生物のシルエットが現れた。
「なんだぁ・・・?!」
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