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「本当にそんなことできんの?ドードーすゎん?????」
カラスのキィオは首を傾げた。
「出来ますとも!だって、わしは魔法のドードーちゃんですよ!
今までもわしは『不思議の国のアリス』という本にもなる位、何でも出来るドードーちゃんでなあ、わしは今までいろーんな国に神出鬼没でなあ、
わしも『鳥』の端くれ!こうやってあんたみたいに空を飛んで・・・」
ドードーはそこまで言うと、ちっこい翼の奥から嘴でまさぐって萎んだ風船を取り出すと、
ぷぅーーーーーーっ!
と、一息に嘴から息を入れて膨らまし、落ちていた紐でドードーの体に結わえると、
「ほーら!わしだって空を飛べる!『ドードーは空を飛べない』ってのは、偏見じゃよ!ほほほほほ!!」
ドードーは、高笑いしながら風船に吊られてふわりふわりと、上へ上へとどんどんどんどん昇っていった。
カラスのキィオは、飛んでいくドードーを見上げた。
「ドードーさぁーーーーん!そんなに昇ったら・・・あっ!」
ぷすっ!
「あっ!」
ぱぁーーーん!
ひゅーーーーーー・・・
どすん!
「いてて・・・風船が木の枝に刺さってしもうたぁーーー!」
「ドードーさーーーん!大丈夫ですかぁーーー!」
「えーーーーーん!!風船が割れちゃったーーーー!!」
「ドードーさーん!」
「え?」
「うほっ!嘘泣きだお!
おほん・・・冗談はさておき、」
・・・この前振り、冗談かよ・・・
「やろうとすりゃ、何でも出来るんじゃよ!
そ!あんたを『他の生き物』に変えることもな!
だって、わしは魔法のドードーちゃんじゃぞ!ふふーーーん!」
先が黒光りする嘴の鼻高々のドードーを見て、カラスのキィオは疑心暗鬼に恐る恐る聞いてみた。
「ドードーさん?」
「はいはい?」
「何でも自分を変えてくれるの?」
「どうぞどうぞ?何なりと。お前さんは、何になりたいの??」
・・・はっ・・・!
カラスのキィオは黙りこんだ。
・・・自分ただそう思っていたのに、『何になりたい』か考えてなかったよ・・・
・・・えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと、えーと・・・・
カラスのキィオは、深く考え混んでしまった。
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