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どんよりとしたあたしの顔を見てすぐ、菜乃香は眉間にしわを寄せた。
「な、何かあったの?」
菜乃香の問いかけにさっき起きたことを思い出して、じんわりと涙の膜が瞳を覆う。
「ううう……菜乃香ぁ、自分が馬鹿すぎて……泣けるよぉお」
「馬鹿なのはいつものことでしょ」
「わぁぁ、サラッとヒドいこと言うしぃぃい」
情緒不安定なあたしを見て、菜乃香は苦笑交じりのため息をついた。
「詳しいことは次の講義が終わったあとの空きコマの時に聞くから。今は講義棟、行こう?」
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