失恋記念日、ホワイトデー。

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「――あの状況で断れるほうがスゴいと思うんだけど……」 自販機で買った温かいロイヤルミルクティーの缶を手でいじりながら、唇を尖らせて菜乃香に抗議した。 「まぁ確かにね……。あそこで断れる勇気があんたにあるなら、とっくに告白出来てるわ」 「全くです……」 頬杖をついて小さなチョコチップクッキーをつまむ菜乃香があまりにもまっとうなことを言うから、あたしのテンションはダダダ、と下がっていく一方。 「どうすればいいんだろう……」 うじうじと悩むあたしを見かねてか、菜乃香はゆっくり大きくため息をついた。
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