失恋記念日、ホワイトデー。

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――そうと決まれば早速実践だ。 協力は自分で言いだした……言うなれば自分でまいた種。 もう芽は出てるけど、そのまま育てるも速攻で摘み取るも、自分次第。 あたしは……育てることに決めた。 「緋絽!お帰り!」 大学から帰ってすぐ、緋絽の家にお邪魔した。 緋絽ママが料理している横のリビングのソファで、部活帰りの緋絽を迎える。 「ぅわ」 細い目を少しだけ見開いて、呟く緋絽。 リビングの入り口で突っ立ったままの彼のもとへ、妙に自信満々な感じで近づく。 「さぁさぁ勉強しようではないか!恋の……」 「うわぁ!」 「うぐ」 勢いよく口を塞がれ、一瞬息が詰まる。 「おま、母さんがいるところで、何大声で言おうとしてんだよ……!」 耳元で囁かれ、カァ、と身体が熱くなる。
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