失恋記念日、ホワイトデー。

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よく考えたら緋絽の手が顔に触れてるし、ちょっと抱きしめられてるみたいな体勢だ。 どうしよう。 協力しようとした決心が揺らぐ。 でも……。 お腹にグッと力を込めて、身をかわす。 「アハ、ごめんごめん!さて、ホントに始めよっか!」 「あぁ」 頷く緋絽を見て、こっそり唇を噛みしめる。 これからは、こういう気持ちを無視して、隠していかなきゃないんだ。 覚悟したつもりでいたけど、どこかで諦められない自分が騒ぎ立てる。 諦められない、やっぱり好きじゃないか……と。
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