失恋記念日、ホワイトデー。

＊＊＊

「……は？」

その言葉がにわかに信じがたくて、信じたくなくて、思ったより大きな声が出た。

「い、今なんて……？」

頭がガンガンする。

心なしか視界が回っているように見えるんだけど。

「……だから。何度も言わせんなよ……」

はぁ、と。

大きくため息をついて、目の前で片膝を抱える男が、再び口を開く。

「俺、好きな人が出来た」

あ、ダメ。

もう立ち直れない。