151人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
***
「俺さ、告白しようと思うんだけど」
その言葉が緋絽の口から出た時、本当に鈍器で頭を殴られたと思った。
ボーッとする頭で聞いていた話をまとめると、市ヶ谷さんにはずっと好きな人がいたけど、その人にフラれてしまって今はフリー。
だから告白するなら今しかない、と。
どうもそういうことらしい。
「え、えと……」
どうしよう。
何て言えばいいか言葉が出てこない。
普通ならラッキーなことで、これはチャンスとしか言いようがない。
これを逃すわけにはいかないし。
そういう、気の利いたことが言いたいのに。
「あ……、えっとね……」
口をついて出てくるのは文章にもならない単語ばかり。
最初のコメントを投稿しよう!