失恋記念日、ホワイトデー。

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その緋絽の行動に思いがけず大きく反応してしまい、せっかく隠していた顔を上げてしまった。 「っ、ど、どうした……?」 「……な、なんでもないっ!」 緋絽の顔が見れなくて、もう一度顔を逸らす。 「おい、空っ」 「っっ」 手首を掴まれ、息が詰まる。 やめてよ、振りほどけないの、知っててやってるの……? 「俺、なんか泣かせるようなこと、した?」 「……」 「空……」 優しい声で名前を呼ばれ、また唇を噛みしめる。 やめて、もう、ホントに……。 「やめて……」 唇の隙間から、小さくもれたその言葉。
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