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それで何かが切れたんだろうか。
それとも、あたしのどこかが諦めたんだろうか。
「あたし……緋絽がずっと好きだった……」
「え……」
顔を上げて緋絽を見据えれば、突然何を言い出すんだという顔をしている。
あーぁ、言っちゃった。
何馬鹿なことやってんの!?と怒り狂う自分と、こんなことしたら気まずくなっちゃうよ!?と焦る自分。
そして、もうなるようになれ!っていう自分と、コレでよかったんだ……っていう自分がひたすらせめぎ合ってる。
あんなに一生懸命守って来た芽を、育てて来た花を、咲かせる前に自ら折ってしまった。
「ずっと傍にいて……もうこんな関係は辛いの!だから……」
だから……なんだろう?
妙なところで言葉に詰まってしまい、何かいい言葉はないかと頭を悩ませていると、正面に座る緋絽が口を開いた。
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