失恋記念日、ホワイトデー。

26/40

151人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
それで何かが切れたんだろうか。 それとも、あたしのどこかが諦めたんだろうか。 「あたし……緋絽がずっと好きだった……」 「え……」 顔を上げて緋絽を見据えれば、突然何を言い出すんだという顔をしている。 あーぁ、言っちゃった。 何馬鹿なことやってんの!?と怒り狂う自分と、こんなことしたら気まずくなっちゃうよ!?と焦る自分。 そして、もうなるようになれ!っていう自分と、コレでよかったんだ……っていう自分がひたすらせめぎ合ってる。 あんなに一生懸命守って来た芽を、育てて来た花を、咲かせる前に自ら折ってしまった。 「ずっと傍にいて……もうこんな関係は辛いの!だから……」 だから……なんだろう? 妙なところで言葉に詰まってしまい、何かいい言葉はないかと頭を悩ませていると、正面に座る緋絽が口を開いた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加