失恋記念日、ホワイトデー。

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「――うぅ、寒っ!」 玄関を開けてすぐに入り込んできた3月とは思えない冷気に、あたしは思わず呟いた。 庭も一面、予想外の雪に真っ白に染められている。 一歩、銀世界に足を踏み出すと。 「空、早く!」 緋絽があたしの名前を呼び、大きく手を振る。 「待って、今行く!」 サクサクと音を立てながら、小走りで緋絽のもとへ駆け寄ると、緋絽は大きな雪玉を作っていた。 「な、何これ?」 せっせと雪玉を成長させている緋絽に問いかけると、緋絽は一瞬こちらに視線を向けてすぐ逸らした。 「ブラウニーの中の紙、見なかったのかよ」 「え、雪だるま!?」
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