失恋記念日、ホワイトデー。

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――結局あたしも一緒になって真剣に作ってしまって。 何だかんだ言って1時間は雪だるまを作ってたんじゃないかと思う。 「あー楽しかった!」 「だろ」 得意気にしている緋絽を見て、忘れかけていた光景が、感情が、蘇って来る。 「……」 「……」 あたしたちの間に沈黙が広がる。 あ、そうだ。ブラウニーのお礼言ってない。 そう思った時だった。 「……俺さ、市ヶ谷さんにフラれたよ」 「……え?」 緋絽の、突然の言葉に一瞬時が止まったような錯覚に陥った。 「結局市ヶ谷さんは好きだった人を諦められなくて。俺のことは眼中にもなかったみたいでさ」 「緋絽……」 少し笑いながら諦めきったような顔でそう言う緋絽の姿に、胸が締めつけられる。
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