失恋記念日、ホワイトデー。

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「あとさ」 笑いがおさまりかけた頃、緋絽が静かに切り出した。 「空の……ことだけど」 「っ」 ビク、と肩が跳ね、心臓が鷲掴みにされる。 ヤバい、今ここでくるとは。 「えええ、えっとその話はもういいから!ね!?」 なんとなく聞きたくなくて、慌てて誤魔化す。 けれど。 「いや、よくねーよ」 細く鋭い瞳で真っ直ぐ見据えられ、背中に緊張感が走る。 「あん時は……告白、誤魔化してごめん。ホントはわかってたんだけど、なんとなく、気恥ずかしくなってさ……」 「わ、わかってたの!?」 衝撃の事実に、頭の上に見えないたらいが降ってきたような感覚を受ける。 それはそれで、恥ずかしいんですけど!
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