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「あとさ」
笑いがおさまりかけた頃、緋絽が静かに切り出した。
「空の……ことだけど」
「っ」
ビク、と肩が跳ね、心臓が鷲掴みにされる。
ヤバい、今ここでくるとは。
「えええ、えっとその話はもういいから!ね!?」
なんとなく聞きたくなくて、慌てて誤魔化す。
けれど。
「いや、よくねーよ」
細く鋭い瞳で真っ直ぐ見据えられ、背中に緊張感が走る。
「あん時は……告白、誤魔化してごめん。ホントはわかってたんだけど、なんとなく、気恥ずかしくなってさ……」
「わ、わかってたの!?」
衝撃の事実に、頭の上に見えないたらいが降ってきたような感覚を受ける。
それはそれで、恥ずかしいんですけど!
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