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雪降るこの季節には珍しく、今日は朝から天気が良かった。
雪国のこの地で、こんな天気なんて珍しい。
スキップしたいような気分で外に出ると。
「はよ」
黒地にオレンジでラインの入ったエナメルバックを肩に担いだ幼なじみ、直江 緋絽(ナオエ ヒロ)がうちの玄関の前を通りかかった。
「お、はよ……」
その姿を見るだけで、胸がギュッと締め付けられた。
「今日珍しく天気いいな」
「そう、だね……」
見慣れた無愛想がこちらを見て口を開く。
朝練に行く緋絽と少し遠方の大学に通うあたしの電車は時間が一緒で、いつもこうやって最寄り駅まで歩いている。
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